2016年7月17日日曜日

Apple Store銀座でランデブー

津田っちと大友監督



と、言うわけでApple Store銀座で行われた監督の講演会へ行ってきました。
詳しいことは、後日podcastで配信されるということですが、
とりあえず、自分がメモした範囲内でのレポートです。

結構間違いがあると思いますが、とりあえずスルーで・・・。
Twitterで書いたものを、こちらにコピペしてるだけなので、
読みにくいかと思います・・・。そちらも申し訳ないです。

大友監督とは何者か? からはじまり、留学からハゲタカ、龍馬伝、
そして脱藩してから剣心、秘密への流れの話が多かった印象。

るろ剣前から秘密を撮りたかった、
最初はアメドラみたいに、連続ドラマにしようかと思っていた、
脚本時は映倫に通らなかったとか…。そんな話を。

公開前の心境は、大好きだった王選手と一緒。
王選手がペナントレース前にホームラン打てなかったらどうしようと思ったように、
秘密も観客が入らなかったらどうしよう。宣伝しないといけないと思っている。

元々は監督になるとは思ってはいなかった。
大学時代、バブル期でミニシアターが多く、ミニシアターで
インディーズ系の監督作品を沢山見たが、自分が撮るとは思わずにいた。

大学時代の記憶は無く、さっさと司法試験に受かり弁護士になりたかったので、
予備校にも通った。

大学3年で自分は弁護士に向いてない、文学的な人間だと気づき、
学士入学して文学部に行こうとも思った。モラトリアムもあったかも。
ジャーナリズムやメディアに興味があった。
とりあえず、予行演習で50社位就活したら、バブル期で内定は10社弱。縁がありNHKへ。

NHKに入局。ふるさと人事というのがあったので、故郷盛岡へ。
(注:これは間違で秋田では?との突っ込みあり)
盛岡でドラマ以外の仕事をやり、ドラマがやりたくて移動願いを出してドラマの部署へ。

演出に関しては誰かに学んだ訳ではなく、ほぼ独学。
2年間NHKの留学制度でハリウッドへ。帰ってきてからハゲタカ。

津田:秘密をみたが、海外ドラマを見ているような映画だと思った。

ハリウッドでは、映画は作品であるが、商品でもあるという事を学んだ。
例えば、大学任せで映画製作すると、作品は大学のものになってしまう。

それを避けるために、自分で資金集めをして、自分の作品として映画祭などに出品する。
大学に任せると、自分の作品を届けられない。
だから自分でハンドリングしたいという意識を学んだ。 

留学後は皆様のNHKという意識が強く、
ドラマは朝ドラや橋田壽賀子的なフラットなドラマを作るというムードが強かった。

民放では出来ない社会派的なドラマを作るのがNHKじゃないか?
それが結実したのが、ハゲタカ。 

龍馬伝は、自分は大河は撮らないで終わると思ってたが、
大河をやって欲しい、そろそろ大河も限界と言われ、
大河を変えてもいいというスタンスでオファーを受けた。

色んなネタはあったものの、龍馬は大河では1回のみ。
司馬遼太郎の描いた龍馬と違うモノを、経済の視点で描いた。
キャスティングは、監督がコミットしていた。

昔、ちゅらさんとその続きとして4までやったが、
ちゅらさんの続編を作る度に映画にしたらどうか?と思うとこがあった。

ハゲタカを作る前に、ネット動画が流行っており、
ヘッドハンティングされたが、話を聞いて相手のコンテンツに対する理解がないので辞めた 。
と、同時にハゲタカをやったので、結果的にヘッドハンティングに乗らなくてよかったかも(笑) 

ドラマから映画のハゲタカを製作したが、映画ハゲタカをやってみてストレスを感じなかった。

ドラマハゲタカの1話で、セミの音がうるさくて役者のセリフが聞こえないと、大量の抗議がきた。
再放送では、音を調節したりと大変だったが、映画館では、音響設備も整っているし、意図した音が出せる。

*マンガ原作で映画を作ることに関して。 
文書よりマンガの方が、作品の熱量が高い。ビジュアルがあるので想像しやすいのもある。

*秘密について 
NHK時代から原作は読んでいた。オファーはるろ剣より前。
海外でも大丈夫なくらいな連ドラを考えたが都合がつかず。結局、映画化で落ち着いた。
最初は上映時間が3時間半になってしまいそうだったのを、なんとか短くした。 

秘密の為に脳について徹底的にリサーチを行い、
理研にも行ったり立花隆の本を読んだりしたところ、
生きてる人間の脳内は映像化出来るが、死者は無理では?と思った 。

体と脳を切り離すとデータが取れないのでは?と考え、
生きてる人の脳を見る方が良いかもという事になった。 

キャスティングに関しては、マンガの薪は余りにもハードルが高い。
NHKもそうだが、警察もタフでなければ若くして組織の上に登れるないだろうと考えた。

外見の良さを生かし、タフで骨太な人間、として生田斗真をキャスティング。
生田斗真の役者としての太さを使おうと思った。 

薪を華奢に小さく見せるため、他のキャストの背を高くしたり、ガタイを大きくさせている。 
また、ヘッドセットを着けながら演じさせている。

津田:怖い映画が苦手で、秘密も怖いシーンがあるが、
怖い映画が苦手な人でも見られる映画になっていると思う。 
よくPG12で通ったなとも思う。

人が見られたくない脳の映像を自分が見る事と、
自分が見られたくない脳の映像を人に見られるのとどちらがより怖いのか?
自分の脳を覗かれる方が怖いと思う。 

原作を読み、映画でもテーマとしたのは、
脳内を見られる時代になったとき「あなたならどうする?」

自分(大友監督)は絶対見られたくない、というスタンスで作った。

えらいものを見たけど、最後は救われたと思える、碌でもないことがありながらも、救いがあると言う気持ちでいて欲しい。

津田:原作に対する気持ちは? 

大友:るろうにが思いがけずヒットしたので、もう少し難しいものをと思っていた。
二次元は、音などが出ない。三次元の生身のコントロールの出来なささ、
人間が演じていること、など原作を忘れていくタイミングがある。

批判はしょうがないと割り切っている。
原作が好きなので、原作のコアの部分は大切にしている。

映画は原作好きだけに届けるだけじゃないから、その辺は認めて欲しいと思っている。

自分が作ったものは何回も見ているのであれだが、自分が入り込める時間も1回くらいはある。
そのために原作から離れる時間をどう作るか、を考えてる。

編集については、自分に取って外せないカットは入れているけど、
その他は編集に自由に任せている。

登場人物の中では、雪子さん(栗山千明)が、結構好き。物語のキーにもなってる。 
キャスティングはほぼ思い通り。悩んだのは吉川晃司のところだけ。
彼に合ったロケの場所などを考えるのが難しかった。

会場より:今回新人の織田梨沙さんを抜擢するに当たり、
目力が決め手と話していたが、それを監督が確信に変える為にどうしたのか?

大友:モデルとしてはいいが、演技は未知数。
彼女とオーディションで来た何百人と比較対照していって、確証になり残った。

ちなみに、龍馬伝の濱田龍臣くんも、
母親が死んで子どもの龍馬が泣くシーンを他の子役がやっているのを見てぼろ泣きしてしまい、
自分の番にはぐだぐだだったが、何かが引っかかって、彼に決まった。

津田:役者に対しての演技指導は? 

大友:演技指導が未だに分からない。
クランクインの前に俳優とディスカッションし、役の衣装を与える。
すると俳優は生きる人間を演じる人だから出来ると思っている。 
たまに、違うと言うことはある。

会場より:ノンフィクションとフィクション、どうやって社会に提起するのか? 
(注:私が質問の意図をよく理解できてないので、よく分からない質問内容になってます・・・すみません)

大友:ドキュメンタリーを制作したときに、自分で撮ったテープをすべて全部自分で文字起こしした。

それを読んで、大事だと思うところに蛍光ペン。
画面だけを見て、大事だと思うところに違う色。
音だけ聞いて大事だと思うところに違う色、とやっていた。

すると、蛍光ペンを塗った場所が違うことに気がついた。本当のことって何か?

テープなどを回していたりすると、人(素人)は演じてしまう。
演じながら人間は生きている。
虚構の中で演じている人の中から真実を探すことをやりたいと思っている。

また、政治とどういう距離を取るか、
(津田さんの場合)自分の書いたことを本当に自分の考えで伝えられるのか。
これが今後とても必要となってくると思う。

会場より:大友監督と佐藤直紀さんのペアが大好きなのですが。音楽で気をつけていることは?

大友:佐藤さんと日本の映画は音楽で泣かせにいっている。それがダメだと思う。 
なので、環境音みたいな感じで知らずのうちに音楽が流れるのがいいと思っている。

津田:秘密では、あまり音楽が鳴っていないような感じで、
役者の台詞で盛り上げているようだったが。 

大友:結構曲数は書いて貰っているが、音が前に出ないようにして貰った。

「ミュージアム」・「3月のライオン」は佐藤さんのスケジュールの都合がつかず、
違う人に音楽をやってもらう予定。

津田:大友監督の今後は? 

大友:自分がやりたいこともあるが、
それよりもその時に自分がおもしろいと思ったことをやっていける状況にしていきたい。 
自分の可能性を否定したくないと思っている。

以上です。

いやー本当に楽しい一時間でした。
時間があっという間に過ぎて行きました。

最後に、客席にお二人が座ってのフォトセッションがあったのですが、
私は監督の丁度真後ろに座っており、後でその写真をみたら、
監督の後ろにぼーっと黄色いTシャツを着た怪しい人間が写ってました・・・。

すみません・・・色々と。
てな訳で、『秘密』ますます楽しみであります。