2019年7月17日水曜日

国家ぐるみのドーピングの話

フランケンシュタインの誘惑E+』という、
Eテレでやってる番組に最近ハマっておりまして。
この番組は、科学の影に光を当てる番組でして、たまたま『ロボトミー手術』
の回を見つけ、見てみたら面白くてそれ以来見てるという…。

こういう、科学の闇というか裏話というか、失敗話が好きなんですよね、私。
(性格悪くてすんません)
で、今回は、「汚れた金メダル 国家ドーピング」という、
旧東ドイツが行っていたオリンピックに向けたドーピングの話。

当たり前(?)ですが、ドーピングにはテストステロンが使われるので、
女子選手、その中でも水泳選手が声が低くなり毛深くなったりして、
ドーピングが疑われるようになったとか。

で、調査報告書に女子選手に対する副作用として
「性欲異常・体毛が濃くなる・声が低くなる」というのが記入されていて、
これがトランス男性(FTM)がホルモン療法する理由なんだよね~とおもわず。

国家ぐるみの一大事業ということで、ドーピングについては選手には一切知らされず、
いわゆる強化選手として選ばれた時から、
栄養剤(かな?)と嘘をつかれて錠剤を飲まされて、競技前にはテストステロン注射
という状態だったとか。

引退した女子陸上選手が話していた、
「金メダルを取れたのは自分の力だと信じていたが、薬のせいだと知って
自分の記録は何だったのだろうと思っている」みたいな発言が悲しくてねぇ。

自分の力だと思ってたのに、薬のブーストが掛かっていたと知ったら、
自分のアイデンティティがゆらぎますよね…。

一番の悲劇は女子砲丸投げのハイディ・クリーガー選手。
この方は、ドーピングのせいで女性から男性へと性転換したのですよ。

参考 Anno Job Log:東ドイツの女子砲丸投げ選手がドーピングの結果、
性同一性障害になり、男性に性転換

でもって、このプロジェクトを指揮した医師に対して裁判が行われたけど、
判決は1年ちょっとの懲役で終わったそうです。
しかし、今でも旧東ドイツの選手たちはひどい後遺症に悩まされてるとのこと。

この教訓って、トランスにも生かされるのでは…、思ってしまう私もいたのですよ。
ドーピングは医師が率先して行ったにも関わらず、というか率先して関わったから、
こんなに後遺症が発生してしまったのだと思います。

が、反対に医師の管理がないまま無闇矢鱈にホルモン療法を行うと、
身体を壊す可能性が大きいってことですよね。

というわけで、今更ながらホルモン療法してるってことはこえーことなんだな、
と思ったのでした。
かといって、やめる気はありませんがね。